台湾基隆市になぜ岡山県人が住んでいるのか?

私は岡山県倉敷市出身で、2007年3月に岡山を離れ台湾の北東にある港町、基隆市に住んでいます。 台湾でのサラリーマン生活で感じた個人的な感想をブログで書かせていただいています。

Tag:基隆

全席指定の台湾の自強号
台湾の基隆に在住している僕は、台北にある会社の行き帰りに電車(台湾鉄道、以下略して台鉄)を利用しています。日本同様特急、急行、鈍行(各駅に止まる電車)の区別があり、大体自強号、莒光号、区間号がそれにあたるような感じです。

また乗る電車の種類によって購入する乗車券は異なりますし、鈍行以外は全席指定となっています。

ですが現在新竹から基隆、瑞芳までの間は悠遊カード(ゆうゆうカード)で乗車すれば、区間車の運賃で乗車が可能で、指定の席が空いていれば正規の乗車券を持った人が現れるまで座ることもできます。

自強号の車内。停車毎に誰か来ないか気になる
駅に停車するたび、誰か来ないか気になるわたし
小心者の僕は空いている席に座っていると、どうしても気持ちが落ち着きません。駅に停車するたびに誰か僕の席のところに来るのではないかとどきどきしてしまいます。

特に座っていたからといって怒られたりするわけではありません。普通に乗車券を見せられて「ここ私の席です」と促されるだけなのです。しかし僕はなんだか罪悪感いっぱいになり、席を譲った後には恥ずかしさにいたたまれなくなり、そそくさと違う車両に移ってしまいます。

しかしほかの台湾人は至って何事もないように席を本来座るべき人に譲っているので、僕は考えすぎなのかなと思ったりしていました。

指定座席をめぐって発生した暴行事件
台湾でもおばさんは強い
「席に座っていたからといってなぜ殴るのか?」と言う人にも原因があったようです
 
そんなとき、こうした座席をめぐる微妙なやり取りから台湾社会を揺るがす暴行事件がニュースで報道されるのを目にしました(2015年4月)。

これは簡単にいうと指定席のチケットを持った男性と既にそこに座っていた老女の間で起きたトラブルでした。

初期の報道では、指定席券をちらつかせ老女に暴力をふるってまで無理やり席を譲らせようとした男性が悪いといったトーン一色でした。老女も包帯を巻いた姿で報道陣の前でいかに理不尽な目にあったかなんともしおらしく滔々と語っていました。

フェイスブックでわかったその真相とは
各駅停車なら人の目も気にならない
各駅停車なら安心です(台湾の各駅停車の電車)

しかし当時現場に居合わせた他の乗客のフェイスブックの投稿で、事件は意外な方向に進展していきます。

実は老女が男性に暴力を振るわれたにはそれなりの事情があったのです。男性はいたって普通に指定席券を老女に見せて席を譲るよう促したのですが、老女は大きく反発。隣の車両に聞こえるくらい大声で「指定席を持っているくらいで何が偉い?」といった悪態をついたり、男性の身体をたたいたり、持っていた携帯電話をはたいて地面に落とし壊したりとやりたい放題。その老女の行動にたまりかねて男性が暴力をふるってしまったというのが真相のようでした。

この件を知って以来、座席を譲る際僕がいかに考えすぎだったかがよくわかりました。さすがにこの老女はやりすぎですが、もっと図太く生きていかなければと感じさせた事件でした。 
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忘れたころにやってくる外国人居留証の延長(写真は基隆の移民局)
日本の商品、アニメ、音楽が氾濫する台湾で生活していると、外国にいるという感覚が非常に薄れてきます。

日本語が話せる人も多くいることもあり、海外では一番日本に近いと感じます。

ただ忘れたころにやってくる外国人居留証の更新通知を手にすると、ふと我に返ってしまいます。

基隆の移民局は東南アジアの人ばかり
先日僕が住む台湾の基隆で、数年ぶりに居留証の延長申請に行ってきました。

手続きを行う基隆の移民局オフィスは、基隆市政府(市役所)の斜め向かいにあります。僕が訪れたときはオフィスは東南アジアや中国人ばかり。しかも女性ばかり。たぶん台湾人に嫁いだ人ばかりなのでしょう。

あたりを見渡しても白人は一人もいません。日本人はどうやら僕一人。聞くと戦前は日本人が非常に多かった基隆ですが、今は市内でも数えるくらいしかいないようです。

 移民局の係員は中国語でしか対応してもらえないようです。ですからこのオフィスには日替わりでインドネシアやフィリピン、ベトナムの言葉ができる通訳ボランティアを置いています。
通訳は東南アジアの方専用
基隆の移民局にあった通訳の出勤表 東南アジアの言語ばかり。
基隆のオフィスには日本語が話せる人はいないようでした。台北なら日本人が非常に多いので状況は異なると思います。

移民局の係員は大変フレンドリーで、どの外国人に対しても高慢な態度をとるような人はお見受けしませんでした。

長い順番を待っていると、突然移民局の決定に不満があったのか、大声をあげて闖入してきたベトナム人がいました。日本なら「別室にどうぞ」と裏でなだめたりすかしたりしそうな事態です。

しかしここではみんながいる目の前で、係員が優しく説明をしていました。なにやらクリーンな感じがします。ただその分処理が遅くなるので、待ち時間がかなり長くなってしまいました。

さらに台湾らしいところといえば、申請書の記載に書き間違いがあっても、修正テープで直しても差し支えないということです。日本なら少なくとも二重線に修正印、最悪書き直しになってもおかしくはありません。

毎週日曜日台北駅に集結する外国人
毎週日曜日、台北駅に集結する外国人 東南アジアからきた外国人でいっぱい

永久居留証の要件とは?
ようやく僕の番がきました。

台湾人と結婚して配偶者ビザを持っている場合、延長には現在の居留証、台湾の戸籍謄本、パスポートが必要です。

手続き自体は非常に簡単。係員に言えば新しい居留証を自宅まで書留で送ってくれるので、2度も足を運ぶ必要はありません。

また毎回の更新が不要な永久居留証なるものもあります。
説明によれば、普通の外国人は
1.台湾で連続5年間合法に居留していること
2.かつ1年のうち183日以上台湾に在留していること
という条件がそろっていればその後2年の間に申請が可能

また僕のように台湾人の配偶者の場合
1.台湾に10年以上合法に居留していること
2.そのうち5年は毎年183日以上台湾に在留していること
という条件がそろっていればその後2年の間に申請が可能
となっているようです。

普通に居留証の延長をした場合、1年あたり1000元の費用が発生します。永久居留証の場合、1回限りで手数料は10,000元。今後さらに10年以上住むなら元は取れます。

しかし、入出国の証明書や、個人の財産証明、無犯罪証明など必要な書類がたくさんあったり、面接まであったりするのでかなり面倒。

ということで僕は申請する気持ちは萎えました。

ガイコク人になってみると外国人の気持ちがわかる!?
日本にいるとなかなか外国人のこうした手続きについて知る機会はそうそうありません。日本は日本のルールがあるので台湾の場合とはかなり異なるとは思いますが、なにかと面倒なことであることは変わりません。

また申請書や掲示物などすべて現地の言葉で書かれているより、自国の言葉で書かれてあるほうがなんとなく安心します。

日本にいるときはまったくそんなこと知ったり考えたことはありませんでした。近頃日本でも在日外国人の問題がよく報道されています。以前まで自分自身のなかで、「日本にいるのなら日本のルールを守れ。日本にいるのなら日本語を理解して」なんて傲慢なことを薄っすら考えていたこともありました。

しかし自分自身が外国人の経験をしてその立場に立ってみることで、日本にいる外国人の気持ちが少しではありますがわかるような気がしました。
 
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雨都「基隆」にも日本人は住んでいる
僕は台湾でも雨が非常に多い基隆に住んでいます。基隆から電車で約40分程度で台北の駅に着きます。

そんな近距離にも関わらず、基隆に住んでいるの?なんて驚かれます。

それでも基隆から台北に通うサラリーパーソンは非常に多く、朝夕、電車や国光號と呼ばれる長距離バスは軒並み満員です

もし台北で基隆から通っている人を見つけたければ、曇り空の日に国鉄台北駅の地下を歩いて見ましょう。濡れた傘を持っている人をみかけたら、それは非常に高い確率で基隆から来た方々です。

基隆は海岸線と山に囲まれた狭い地域なので本当によく雨が降ります。でも台北にくるといい天気で、回りはみんな傘などもっといないということもしばしばです。

僕が基隆に住み始めた頃は1月の1ヶ月に30日連続で雨が降っていて、憂鬱になってしまいました。

雨と切っては切れない基隆の市民性
最近台湾のインターネットで、それぞれの地域に居住の人間はどういった傾向かとかいうことが話題になりました。日本でいう県民性です。

例えば台北市民は「エスカレーターでは知らずに右による」とか、台中市民は「外出時にはバスに乗らない」とか、台南市民は「18歳未満でもみんなバイクの乗り方を知っている」とかいったものです。

基隆市民はどうかというと・・・
 
やはり「どこにいくにしても傘をもっていく」「雨がぱらついてきたらすぐに折り畳みではなく普通の長い傘を持っていく(なぜならきっと大雨になるか、長く降るから)」とありました。

やはり基隆市民と雨は切っても切れない縁があるようです。 

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基隆での選挙の争点はやはりMRT
それにしても基隆市民はなめられたものだと感じます。

台湾中の耳目を集めた昨年2014年12月の基隆市長選挙ですが、やはり国民党も民進党も「基隆までMRT(都市鉄道)を伸ばす」ことを大きな公約に掲げておりました。

基隆では選挙のたびに政治家は何度も「基隆にMRT」と念仏を唱えます。実際に基隆に8年在住している僕が思うに、なんでこんなものが必要なのか?と首を傾げたくなります。

台湾中の耳目を集めた基隆市長選挙
台湾中の耳目を集めた基隆市長選挙
金銭スキャンダルで沈んだ黄景泰(左)と市長に当選した林右昌(右)
今回の選挙では、告示まもなく国民党から出馬していた現職の市議会議長に金銭スキャンダルが発覚。鉄板の地盤である「基隆」を失うことを恐れ、国民党は急遽公認を取消、中央政界から改めて基隆出身者を担ぎ上げました。

日頃から基隆市民に見向きもしない中央政府も、国民党の劣勢を挽回しようと「4年後までにはMRTの工事を始める」なんてぶち上げる始末。

しかし案の定、選挙の結果民進党の市長が誕生しました。

基隆までMRTを伸ばすとどうなるのか?
台北から基隆までMRTを伸ばすとどうなるのか?
台北から基隆までMRTを延伸すると基隆は本当に発展するのか?
基隆は台北近郊に位置しながら、目に見えて発展が遅れていると感じます。
 
これまで街の原動力だった基隆港の競争力が落ち、また企業を誘致しようにも海と山に挟まれて土地の面積がそれほど多くありません。活気のない街並みに加え、冬は雨ばかり降るなど、台湾でも基隆は全く人気がありません。

こんな基隆に莫大なお金をかけてMRTを伸ばしても果たして意味があるのでしょうか?

僕は次の理由から全く無意味だと感じます。

まず1つ目は基隆市民にとって利便性が全く感じられないという点です。

山と海が狭まっている基隆の地形を考えるとどうみてもMRTは既存の台湾国鉄の路線とかぶってしまいます。これではあらためて路線を作る意味が全くありません。

さらに昼間は空席が目立つというのに、さらに隣に電車を走らせてもお金の無駄としかいいようがありません。ラッシュ時にもっと大量輸送ができるよう電車の運用を検討したほうが効果的です。

もう一つはこんなことをしても基隆には誰も来ないということです。

「台北に近くアクセスが便利になればたくさん人が集まり基隆の街が発展する」なんて言われていましたが、これほどうそ臭い話はありません。

そもそも先ほど述べた理由でアクセスは便利になりません。さらに台北市と比べ格段と違う福祉や生活環境、そして天気、さらにはなんといっても出勤にかかる時間的な問題と、MRTごときでマイホームが買えない台北市民が雪崩を打って基隆に移りすむとは思えません。

MRTを伸ばして得をするのは、土地価格の高騰を喜ぶ一部の基隆市民と工事に関連して私腹を肥やす政治家だけです。

新基隆市長林右昌にお願いしたいこと
テナントがほとんど埋まらない基隆の七堵駅
テナントがほとんど埋まらない基隆の七堵駅
何もかも停滞している基隆ですが、台北に近いという地理的な優位性は変わりません。この点を生かして、もっと台北市民を呼び寄せる方法を考えて欲しいのです。

例えば台北より子育ての環境をよくすることに特化してみるのはどうでしょうか?子供を産むと奨励金が台北より多くする、駅の近くに公営で夜遅くまで面倒をみてくれる価格も安い託児所をつくる、保母さんの費用を面倒みてくれる、こんな政策のほうがMRTよりさらに魅力的です。

これなら台北市にいるより通勤に少し時間はかかりますが、安心して仕事をすることができます。また小さい子供がいる若い夫婦は、高い台北市でマイホームを買うことをあきらめて地価の安い基隆に移ってくる可能性も考えられます。

無意味なMRT建設に大金を費やすより、その金を使ってもっと基隆市の生活に魅力が高まる施策をお願いしたいところです。

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観光だけなら基隆はまだよいのだが
みなさんは台湾の港町「基隆(キールン)」をご存知ですか?台湾でも有数の港町で、戦前までは非常に多くの日本人がいたようです。

僕は台湾人の嫁と結婚し基隆に住んでもう6年が経ちますが、まさかこんなに無茶苦茶なところとは思いもしませんでした。観光で訪れるくらいならまだしも基隆になんて住もうとおもってはいけません。

2012年12月にも基隆についてブログに書きましたが、

現在もなお情勢は混迷を極めています。

現職基隆市長に続き、基隆市議会議長まで警察沙汰に
とある「行動」で自分の「政治人生」を変えた議長
スローガン通り「行動で自分自身の政治人生を変えてしまった」基隆市議会議長

最近では今年2014年12月の首長選挙で基隆市長に立候補していた国民党の現職基隆市議会議長黄景泰氏が団地開発での受賄容疑で逮捕されました。

2年前には国民党の現職基隆市長張通栄氏が、警察の派出所長を脅して飲酒運転で逮捕された女性を釈放させたことで、公務執行妨害で起訴されています。
基隆市長自ら率先して起訴されていた
「この市長はそもそも最も間抜けな市長で、最もだらしない市長だ」と書かれています

基隆は歴史的な背景から国民党の基盤で長く一党による市制が続いており、強固な利権関係がみてとれます。この街に政治的な刷新はなかなか難しいと思われます。

すぐ洪水の道路 雨の存在を無視した博物館 入居がないテナントが並ぶ駅 
七堵駅北口にある意味不明なもの
台湾国鉄七堵駅北口にある意味不明な芸術品
行政のトップがここまででたらめになると、行政そのものもおかしくなっているようです。

台湾では夏でもスコールのように瞬間的に大雨が降ることはよくあります。ただでさえ雨が多い基隆ですが、相変わらず大雨が降ると市街のあちこちで冠水。いつまでたっても抜本的な対策は採られていません。

港町基隆にできた非常に大きな国立海洋科技博物館は、チケット売り場が入っている建物と博物館そのものが別棟にも関わらず、この二つを結ぶ空間には屋根らしきものがありません。こんなに雨が多い街にも関わらず・・・・。

2007年に改修して非常に大きな駅舎になった基隆市内にある台湾国鉄七堵駅も、多くの商店が入居できるようテナントがたくさん構内に作られたが、現在に至るまで入居は数軒のみ。ほとんどがシャッターが閉められ開店休業状態。
改修から7年、いまだシャッターが開かない台湾国鉄七堵駅
7年間締め切ったシャッターが並ぶ台湾国鉄七堵駅

駅の北口にはなんとも無意味でお金だけがかかってそうなオブジェがそびえています。まさに無駄遣いの象徴で、政治家にキックバックの金でも流れているのではないかと疑いたくなります。

みんな逃げたい 僕も逃げたい台北へ
歴史的な街だがイマイチイケてない基隆
歴史的な街並があるにも関わらずなぜか台南のようにイケてない基隆

基隆は山がせまっている地勢で土地がなく、これ以上街を広く発展させる余地がありません。だから工場も会社も基隆には来ないから、みんな台北まで働きにいきます。

歴史ある港町なのに、街中は大変汚くまるて朽ち果てようとしている感じがします。同じく歴史的な都市として文化財保護に力をいれている台南とは全く対照的です。

唯一観光に耐えることができると思われるのは廟口夜市だけ。だから港をみて夜市で晩御飯食べたら、観光客はほんの数時間で基隆からでていってしまいます。

基隆の港も貨物取扱量が激減し、唯一増えている豪華客船の寄航も客は上陸後すぐ中南部へでていってしまいます。
ああ基隆は今日も雨降り
基隆は今日も雨降り。街全体がなんだかさびしい

最近台湾国鉄が南港駅と宜蘭駅の間に直通の線路を作ることを決めました。今までの基隆経由より時間が大幅に短縮できるようです。少し前には台北と宜蘭を直接結ぶ長い長い雪山トンネルが完成し、車が基隆経由をしなくてもよくなりました。

車だけではなく鉄道もいよいよ基隆を経由しなくなることで、基隆はまずます存在感がなくなってきています。

ケーブルテレビ事業者の委託調査によると、有料アダルトチャンネルの長期契約世帯数の密度が最も高い台湾の都市は基隆市で、 10世帯中4.3世帯が1年以上の視聴契約をしていたようです。

長々と雨が続く基隆では、これくらいしか楽しみはないのでしょうか?

近頃にわかに脚光を浴びている台北市・新北市との合併の話は、あながち遠い先のことではなさそうです。

2回目の台湾旅行のお供に


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